玲華はため息をはいて、外を眺めた。

…いつから、なんて愚問であろう。手を覆うカーディガンからは指先しか出ていなく、その指先もパックのジュースを握りしめていた。


噛まれてぺちゃんこになったストローをくわえ、吸っていけば、ずずという音と供にジュースがなくなったことを告げる。

玲華は今日何回目かわからないため息をはいたあと下に向かって思い切り地面に叩きつけた。


4階から投げられた紙パックは無惨に過ぎゆく人の目の前に落ちる。いきなり紙パックが落ちてきてびっくりして上を見上げた女の子は人知れず呟く。


--どこから落ちてきたんだろう?


玲華はじっとその様子を見ていたが、女の子と視線が交わることはなかった。