なんだよこれ…っ!



震えていた膝が折れて地面に崩れ落ちた。



心臓を両手で押さえつけながら、酸素が足りなくてボーッとしている思考をフル活動させる。



「…は、あッはあッ」



息が苦しい。
涙まで浮かんでる。



心臓はいまだに狂ってるようで。



ドッドッドッ



死にかけているような感覚。



いや、実際死にかけてる。



そんな生命の危機を感じながらも、脳裏には少女の顔がちらついている。



あの春のおわりの夜空のような。



深い深い、闇が浮かぶあの瞳を。