僕の家の玄関の正面を向いて、なにかをじっと見つめている様子だった彼女は。
ゆっくりと首を動かして僕を見た。
横顔だけでも繊細さがわかる彼女の綺麗すぎる顔が。
漆黒の瞳が。
僕を見つめてる。
ドクンドクンドクン
心臓が破裂する勢いで動いている。
そのはやさに身体はついていけなかったらしく、一気に胸が苦しくなる。
綺麗すぎるその顔に感情の色はない。
何を考えているのか、全くわからなくて。
ドクッドクッドクッ
心臓は早鐘のように波打って、息さえも荒くなっていく。
まるで警鐘のように、鼓動は激しい。
謎めいた彼女の雰囲気だって、僕にとっては毒だった。