「なんてゆーかさ、」
僕はなんだか恥ずかしくなっていた。
こんな綺麗な女の子と一緒に歩くんだから、もうちょっと…。
なんて、自分の格好を見下ろしていた。
ひどく自分が残念に見えてきて落ち込んでる僕を、ノノはサンダルを履き直しながら見つめている。
大げさにしゃがみ込んで頭を抱えていたら、地面を見つめていた視界の中に茶色いサンダルが入ってきた。
それはノノのもの。
「…ノノ?」
小さく名前を呼びながら顔を上げようとする。
だけど頭の上に手が置かれて、それを遮られた。
そのまま、その手は、僕の髪の毛を撫でる。
僕は大人しくその動きを受け入れていた。
そして色の無い声が落ちてくる。
「待たせてごめんなさい」