約1時間後。
黒と白、二色のスニーカーに足を引っ掛けて立ち上がり、トントンとつま先でコンクリートを突いた。
ガラララ
玄関の引き戸を開いて、外に出る。
昨日よりは風が涼しく、太陽の熱も控えめ。
だけどはるか頭上には、青い空がどこまでも広がっている。
ご飯の後にチラリと見た天気予報では曇りのち雨と言っていたけど、雲の白はどこにも見当たらない。
つまり今日は、天気がいい。
僕は無地のTシャツにデニムシャツを羽織って、適当なハーフパンツを履いている。
どうせ何にもないド田舎だし。
どうせ生まれ育った地元だし。
とりあえず外を出歩ける格好。
「こんな田舎で、カッコつけんのもおかしいしな」
なんて、独り言を呟いていた。
ガラララ