「どうせ暇なんだろ?」



意地の悪い笑みが僕の視界に入り込んだけれど、とりあえず無視をして横を向いた。




その先にはノノがいて、いつの間にか朝食をすべて食べ終わっていたらしく、箸を置いて手を合わせている。



「ごちそうさまでした」


「………」




一応、ノノにも関係がある話なのに、まるで無関心。




そこで顔をあげた彼女と目が合って、僕の動きはその視線によって封じられた。




そんな僕を見て、こてんと首を横に倒す。




(あ、)



ノノの顔に、感情が映し出された。




ただ首を傾げてるわけじゃなく、『どうしたの?』と不思議そうに問いかけてきている。



不意打ちで現れる、感情の色に戸惑った。




(ほんと、時々にしか見れないよなあ)




ノノの素の表情って、と頭の中で言葉を繋げた。




「いいよ」