「てゆーか」



僕はチラリとノノを見る。




「嫁入り前の女の子が、男の上に乗ったらダメだろ!!?」




そうだ。



ノノは布団の上で寝ている僕の上に跨がっていた。



僕は顔を赤くしながら力説する。




朝から息を切らしている僕を見て、ノノは首を傾げた。




「そっちのほうが殴りやすかったから」


「殴りやすいって?最初から殴るつもりだったの?え?」




柄にもなく突っかかる僕はたぶん浮かれてる。



ノノが起こしに来てくれて(殴られたけど)、おはようなんて言ってくれて(殴られたけど)。




なぜだか嬉しい。




ノノが僕の上から降りて、僕も立ち上がる。



ノノは部屋から出て行こうとしてた。



「あ、ノノ」



僕の呼びかけに、彼女は立ち止まる。




肩ごしに僕を見つめるノノに微笑んだ。





「おはよう」