僕の口はスラリとその言葉を漏らした。




「決めたから、大丈夫だよ」




訳のわからないのは自分だ。




また恥ずかしくなるってわかってるのに、こんなことを口走って。




でも父さんは、僕と視線を合わせたまま、不敵にわらった。




「それ、これから何を知っても忘れんなよ」



そんな言葉を悠々と呟いて僕の髪の毛をグシャグシャに撫でた。



乱れた髪を直しながら、僕は父さんを睨んだけれど、もう迫力のある身体は消えていた。