真っ白な肌と真っ黒な瞳。



それが一番最初に頭の中に流れ込んできた情報だった。




人形、みたいだ。




瞳とは違う、風に揺れてる栗色の髪の毛や。


遠目でもハッキリとわかる睫毛の長さとか。


きれいに通った鼻筋も。


紅く色づいた柔らかそうな唇だって。



“作り物”のように整った顔立ちの少女。



暑さなんて忘れて、まるで鮮やかだった世界が色を失ったみたいに。



一度すべての時が停止して。



僕等だけが、この時間の中を生きてるような。



そんな錯覚をするほど、綺麗な少女がそこにいた。