ノノがわらっていた。
さっきよりも顔を紅くさせて、涙は流したまま。
儚い微笑を浮かべていた。
「……っ」
言葉が、つまる。
何を言っていいかなんてわからなかったから、都合はよかったけど。
綺麗だとずっと感じていた彼女が、
ひどく可愛く見えた。
可憐な少女を抱きしめたい衝動に駆られる。
震える手を伸ばそうとしたけど、動きを止めて拳を握った。
さっき会ったばかりなのに、そんなことをしたら嫌われるかもしれない。
なんて、思ったからだった。
僕はなぜか、ノノに嫌われたくなかった。
その理由は、まだわからないけど。