走っている間、僕の頭の中では、最悪な状況が想像されていた。 どうか無事でいてほしい。 無意識に、純粋に。 それだけを願って、全力疾走した。 角を曲がった少し先に、人影が見える。 それは確実に彼女だと思う。 すでに立ち上がっていて、僕は少し驚いた。 あの高さから落ちて、こんなにも早く立ち上がることができるのか。 不思議だったけど、僕はそんなことよりも。 安心していた。 無事でよかったと。