僕は黙って荷物を持ち上げる。 なんとなく、これ以上は聞いてはいけない気がした。 父さんは安心したように目を細めた。 少女は無言で僕を見上げる。 「棗さま」 僕の肩ほどの身長の彼女は、やっぱり綺麗すぎて。 その美しさにまだ慣れていない僕は、顔を背けて居間を出てしまった。