父さん達は居間にいた。



そこに僕が駆け込む。




「父さん!」




襖の近くに少女の荷物を置いた父さんは、庭に繋がる大きな窓を開けた。



全開になったそこから、生ぬるい風が入り込んできた。




「質問に答えろよ!」


「あ、棗。その荷物、二階の階段の隣の部屋に持って行ってあげてー」




そう言いながら、あの荷物を指さしている。




二階の階段の隣の部屋…?