大袈裟かもしれないけれど、あの手に僕は救われた。 その手の存在を忘れていた僕は、どうかしてるかもしれない。 それよりも、不思議なことがある。 なぜ僕の名前を知っているのか。 この少女と会った記憶なんてない。 それに、こんな綺麗な顔を忘れるなんて、いくら僕でも無いと思う。 僕の家の前にいたから、父さん達に用があるのかもしれない。 「…おまえ誰だよ」