濡れた闇色の瞳の中には、 儚いひかりが揺れている。 ゆらゆら ゆらゆら ひかりが揺れる。 そのひかりは冷たい色で。 やっぱりどこか、 “人間”ではないようで。 だけど僕は、 その冷たさを美しいとさえ思った。 吸い込まれるように交わる視線は、決して居心地のよいものではないけれど。 『このままずっと、』 思わずにはいられなかった。 そして僕は瞳と同じ冷たさを、右頬にも感じた。