「は、あ…」



短く息を吐く。それを繰り返す。



苦しさから無意識に鷲掴みにされていたシャツは、胸のあたりがグシャグシャになっていた。



堅くかたく握られていた拳をゆっくりとほどく。



あんなに激しかった鼓動は正常なリズムを刻み、乱れまくっていた呼吸も静かになった。




「…ふう」



とりあえず安堵のため息を漏らした。



そしてつぶっていた目を、ゆっくりと開いていく。



そして僕の視界いっぱいに入り込んでいた、



少女と目があった。