結局、私が落ち着く頃はすっかり日も暮れていた。


「なんか、愁の前では泣いてばっかりだね…」


「別に?気にしてねぇし」


「…うん」


しばらく沈黙が続いた後、先に言葉を発したのは愁だった。


「お前って、きれいな歌声してるよな…。ずっと思ってた」


あ…。そう言えば、私、さっき歌ってたよね?


普通に歌えてた…。


「ありがとう…」