「俺は、義賊だ!盗んだ富で私腹を肥やすお前らコソドロとは違う!!」
止まらない、止まらない。
言っちゃいけないのに、
言ったら、追い出されるのに、
先ほどまでの賑わいが嘘のように静まり返っている。
「じゃあ、勝手に義賊でもなんでもしてろ」
誰かが、吐き捨てるように言った。
「つまみ出せ」
リーダー格の一声。
同時に腹に重い衝撃。
「う゛、」
「おら、土産だ!!」
肩、腕、膝、…
背中からの衝撃に思わず膝を着く。
「じゃあな、義賊ちゃん」
文字通り、つままれ投げ出される。
「ガハッ」
一瞬、息が詰まる。
土にまみれた体、
見ればあちこちに赤く腫れる所がある。
「いってぇな…」
「畜生ッ…!!」