「…俺の事情も知らないで。」

その男はまた私を睨みつけ木向こうへ歩いて行った。

子供のような喧嘩だった。

こんなにイライラしたの久しぶりだわ。

そう思いながら私は元の道へ戻った。

学校では竹内が待っていた。

「お嬢様!どこへ行っていらしたのですか!心配したのですよ!」

今日の授業は午前中までだったのを私は今思い出した。

「えっと、……なんでもないよ。心配かけてごめんなさい」

「いえ、無事ならば大丈夫でございます。さ、お嬢様帰りましょう。」