私は竹内が車で帰ったのを確かめると学校を出て“秘密基地”へ向かった。

私だけの内緒の場所。今日は学校なんてサボってやる。

細い一本道を通り抜け、木と木の間をかき分ける。

その先には海がある。

ここで人と会ったことがない。私しか知らない。

はずだった。


「うわ。」

Tシャツに半ズボン汚らしい格好をした男がいた。

「ここ俺の秘密基地なんだけど」

カッチーン

「そのセリフそのまま返します」

あって10秒で私たちは睨み合う関係になりました。

これがあの人との出会いでした。