「せいかーい、やっとわかったんだね、」

でもでもあんなオンボロの服を着たあの男の面影が全くない。

しかも、この西園寺家にどうして普通に入れたの?

このスーツはなに?

考えれば考えるほど色々な疑問が出てきた。

全く状況が理解できない。

「似合ってるねー、そのドレス。」

そのはにかんだ男の顔に一瞬ときめいてしまった自分を信じたくなかった。

「うるさいっ!はやく出て行きなさい!」

「そうだね、僕もそろそろ準備があるからね、また後で。」

本当に、よくわからない。何が起こっているのか。

警備員がいるにも関わらず誰も駆けつけてこない。

てことはあの男は客になる。

でも、誰の?

ああ、もう最悪。あの男のせいよすべて。

頭がモヤモヤする。