「誰?」

黒いスーツを身にまとい、長身で顔も整っている。

本当に誰だろう、私は全くこの男を知らない。

「残念だ、顔を見ても思い出せない、馬鹿なお嬢様でしたか、」

「失礼ね、何よ、さっきから!勝手に部屋に上がりこんで!」

私は少し腹がたった。馬鹿にされるのが悔しいのだ。

「さっきは海でどうも。もう怒りは収まりました?ストーカーさん」

………。ストーカー?この私が?

もしかして、まさか…

私は午前中の事を始めから丁寧に思い返した。

「まさか、あの時の…オンボロの服着た最低男?!」