着いたのは体育館の裏。
くるっと後ろを振り返ってこっちを向いたけど、結構距離置いて歩いていたからそんなに近くはない。のに、谷山は近づいてきた。
「あのさぁ、蒼井さん…」
ジリジリと迫りよってくる。変なおじさんでもあるまいし逃げるのは失礼だよね…
「聞きたい事があるんだけどさ…」
あと二メートルぐらい?…
「蒼井さんて…」
あと30㎝っ…
超至近距離で谷山と目が合う。恋愛に興味無いなんて関係ない。
異性とこの距離にあるだけで大問題だ。
顔が思わず熱くなる。早く用済ませてよ!…
「高坂 悠のこと知ってる?」
…はい?