先生と沙都のお母さんはこの陽明高校の生徒だった。

そしてお父さんはこの陽明高校の教師だったらしい・・・。

二人は恋をした。

二人は愛し合った。

二人には大切な命が授かった。

そして二人は・・・二人で土地を離れた・・。誰にも言わず二人だけで・・。

現在は二人の両親・・つまり先生と沙都のおじいちゃんたちなんだけど・・.。

当然あったわだかまりなんかは今は解消されたみたい・・・。

先生と沙都の住所は同じところにすんでいながら別のところにあるらしい。

「ごめんね、あすか・・もう今更学校にも隠さなくてもいいんだけど・・」

沙都はうつむき加減になった。

「もうホントに変な噂とかになりたくなくて・・。あすかにまで迷惑かけて・・・ごめん」

わたしにひたすら謝り続ける沙都がそこにいた。

「なにいってんの・・沙都・・あやまんないでよぅ・・」

「う・・ん」

そして沙都はまっずぐに私をみつめた。

「それでも私お父さんとお母さんが行った学校にいきたくてここを受験したの」

と、噂を恐れてまでこの学校を受験した理由を話した。

「・・・え・・?もしかして先生も?」

まさか先生も沙都と同じ理由でこの学校に・・・?

「・・・そんなわけねーだろ・・・。俺はたまたまだ」

・・・・そ、そうだよね・・・。びっくりしたぁ・・先生が意外にロマンチストなのかと・・・

「それじゃね、あすかっ、私さきに教室帰っとくからっ」

沙都は気を使ってくれたのか、私の疑問を解いてくれるとすぐにその場から立ち去った。

そして私は化学準備室へもどる先生のあとについていった。