「私、先に帰るわ・・」

私は直哉の顔を見ずにそう言った。

「覚えとけよ、あすか。俺が言ったこと」

直哉のうす笑う顔が目に浮かぶ。

私はそのまま外へ出た。

「・・サイテー・・・」

独り言・・・。思わず言った言葉は直哉に対して・・・?

・・きっと自分に対してだ・・。

エレベーターで下へ降りて外へ出る。

太陽のあたる道・・・。この道を歩いてもいいの・・・?

でも今はもう陽が沈んでいつもは陽が当たっているところも・・偽物の電飾の光でごまかしてるみたい・・・。

そんな風に変わった道を駅に向かって歩く。

改札前までいって定期の準備をする。

そんな改札の前に違和感のない姿を見た。

「・・沙都・・」

私はその違和感のない姿を沙都だと確認した。

その沙都はおもむろに私のところへやってきた。

「沙都・・どうしてここに・・」

(バシッ)

と・・その瞬間・・沙都は私の頬を平手でたたいた。

「な・・」

「あすか。アンタいい加減にしなさいよ!」

沙都は私にすごい剣幕で怒りだした。

「・・沙都・・」

「どうしてそこまで自分を傷つけるの!?ねぇっ!?」

自分を・・傷つける・・?