今までも・・何度何回繰り返しても犯した過ちを認めてくれる・・許してくれる沙都なのに・・今日も・・・沙都の救いの手を振りほどいてきてしまった。


体中にキスをする直哉・・。

熱くなる。

私の体中を知り尽くしている彼は容赦なく攻め続ける。

私は・・・

それでも先生が・・・。

よくわかってる。体を自由にできても・・心までは自由にできない・・・。

こうして直哉と体を繋げても・・心は・・想いは先生だけ・・。

・・でも・・事実だけは変えられない・・。

私は確かに・直哉に抱かれ・・先生に抱かれた・・。

「あ・・んっ・・」

「なんだ?あすか・・ここがいいのか?」

・・直哉の与える快楽に溺れ・・・そしてなにも考えられなくなった。






「私を苦しめて何が楽しいの・・?直哉」

私は静まりかえったベッドの上で不敵に笑う直哉に尋ねた。

「別に・・俺が楽しいことをするとお前が勝手に苦しむだけだろ・・?」

直哉は私に顔を近づけながらそう言った。

「お前を苦しめているワケじゃない。俺が楽しみたいんだ」

怖くて・・・ゾッとした。

でも・・・

・・昔から頭のキレる男だった。

たかがそんな欲のためだけに私を利用しているんじゃない・・。

たぶん・・そう思う・・。

「もうちょっと言うと手伝ってほしいんだけどな・・」

私の体をあちこち触りたくりながらそんなセリフを吐く。

やっぱり・・・そんなコトだろうと思った。

「何考えてんの・・?すると思う?協力なんて・・」

そう、たとえどんなことでもこんなヤツに・・。

私は瞬間、過去が脳裏をかけめぐった。

忌まわしい過去・・サイテーよ・・。