「誰だよ・・・ったく・・」

どうやら直哉にかかってきた電話らしい。

直哉は舌打ちをしながら電話に出た。

ちょっとホッとした。

なんだか真剣に話し込んでるみたい・・・。

そういえば私・・今この人が何してるのか、どこの学校行ってるとか・・・全然知らないんだ・・。

昔は相当ヤバいことしてたけど・・。今でもやっぱりしてるのかな・・・。

売春・・とか・・。

「あぁ・・わかった」

どうやら電話は終わったらしい。

「あすか、ちょっと用ができた。俺行くわ」

そう言って直哉は服を着て急いで出て行った。

「・・・・・」

あ・・・わただしい・・。

それにしてもよかった。あの電話のおかげだわ・・・。

でもやっぱりヤバいことやってるんだなー。あの電話は絶対になんかトラぶった電話に違いない。

・・・人のこと・・言えない・・か・・。

私だって彼のヤバいことに加担したんだもんね・・。

直哉との関係切れないんだ・・。

汚れてる、私。

幸せすぎて忘れてた。

高校入って先生追うことに必死で周りの・・・自分のことすら見えてなかった。

自分の過去に何があったか・・・。

幸せな生活の中ですでに空白になってた。

いくら体を洗っても消えなかった痛み、汚れ、すべてが今でも覚えてる。

「・・・・っ・・」

自分の過去がフラッシュバックしてきて涙が出た。

頭ん中グルグルまわってる。吐きそうな思い出たち。

「?」

そんなときドアの方で物音が聞こえた。