病院に入った私は「学校行事のイベントの準備でヘマをした」というなんとも苦しい言い逃れをした。幸か不幸か刺されたところは特に命に関わるところでなく脇腹付近だった。心臓だったらと思うと今更ながらぞっとする・・・。

駆けつけた親も私のドジふりに呆れ顔だった・・・。

普段の私の素行を知っている親はこの嘘にはまったく疑いをもっていなかった。

それはそれでまた・・・微妙・・だよ・・なぁ・・・。



「あすか、今日は学校休むんだよ。抜け出してきちゃだめよっ」

次の日、朝イチで沙都はうちへきた。

どうやら長年の付き合いで私の性格を見抜いているらしい・・・。

でも明日は・・・デートの日。

明日は・・絶対行くもん。

「沙都・・先生には・・」

「わかってる」

先生を失ったときの私を想像してみたら壊れてしまいそう・・・。

それほどまでに先生が・・大好きになってた。

私、明日のデートは・・必ず行く!



「沙都」


「お兄・・どうしたの?」

「神崎は今日休みか・・?」

「う・・・・ん・・めずらしいね、あすかのこと気にしてるなんてさ」

「・・・・・」

「あすか聞いてたらよろこぶよーー」




「うそっ、先生がっっっ!?」

「よかったねーー、あすかーーっ」

私は学校が終わってとんできてくれた沙都から先生が私のことを気にしてくれていたことを聞いた。

「あ・・沙都・・・私のことは・・・」

「大丈夫、言ってない」

・・・先生・・。だいすき。