「・・ねぇ・・先生・・人を愛するって・・すごい大変なんだね・・」

「え?」

私、先生のこと好きで好きでしかたなかった・・。

こうして先生と過ごす時間が夢みたいだよ・・。

だけどね・・。

それだけじゃないんだね・・・?


「最初、ただ好きで追いかけて・・相手にされなくて・・でも付き合えるようになって・・なんだかいろいろあったけど、その時間の中で先生を想うと胸が苦しくなったり、なんだか涙が出てきちゃったり・・・だんだんね・・ただ好きだけじゃなくなってきたんだ・・」


「・・そっか・・・」

「こんな風に自分以外のことを真剣に考えるなんて・・今までなかったと思う。・・・先生が私に教えてくれた人を愛するって気持ちが、すごく誇らしい・・」

私は先生にハッキリとそう言った。

先生は私の目を見つめた後そばにあった煙草に火をつけた。

そしてふっと一息おいて一点をみながら口を開いた。


「・・・俺もだよ・・」

「え・・?な・・にが・・?」


「・・教師失格だけどな」

相変わらず核心の言葉は言ってくれない・・。

けど、今はそれでもいいよ・・?

口では言ってくれなくても私は先生に抱かれながら確かに幸せを感じていたんだから・・。


私にたくさんの愛を置いていってくれた。