「私っ、あとからなんてコトしちゃったんだろうって・・!どうしようって・・そればっかりで!」

優ちゃんが私の腕の中で泣く。

私・・どうしてこんなにも優ちゃんが愛おしく感じるんだろう・・。

まるで自分の一部のような優ちゃんを優しく抱きしめた。



「あすか先輩・・」

「純平くん・・」

そばでずっとことの成り行きを見守っていた純平くんが私に少し近づいてきた。

「すいませんでした・・。優がしたこととはいえ元はと言えばオレのせいです」

純平くんは私に対して深々と頭を下げた。


この子たちはこの子たちなりに随分と苦しい思いをしたんだろうな・・。


「純平くん・・私ね、先生のことが好きなの」

私は純平くんの目を瞬きもせずにじっとみながらひと言、そう言った。

「・・・」

純平くんもまた、私から目をそらすことなくじっと見ていた。

「オレも、あすか先輩が好きです」

そう言われた私も目をそらせずにいた。

「好きになった気持ちはそんなにすぐには変えられないです。先輩も久住先生から振られてもあきらめなかったでしょ?オレは昔からそんな先輩だから好きになったんです」

「・・そっか・・」

私は自分でも驚くくらい穏やかに笑っていた。

「でもねっ、純平くんが私のことを想ってくれているよりもずっとずっと私の方が先生のことずっとずっと想ってるんだからっ」

私は冗談っぽく・・でも冗談じゃない気持ちを純平くんに投げかけた。

「どうでしょうね?そうは言っても先はわからないですからね!」

私たちからは自然に笑顔が浮かび上がってきた。



ーーーーガラッ

突然横の教室のドアが開いた。

「せっ、先生!?」