そうして駅を出て歩き始める。

外はもう真っ暗。

「ん・・・?」

フラフラと私の方に歩いてくる人がいた。

何だろ・・・?

「あ・・・の?」

暗くてよくわからないので私は近づいてきた人に問いただしてみた。

「・・・あんたさえ・・いなければ・・」

え・・・?

気づいたときにはもう遅かった。

息ができないほど苦しくて・・・。

歩道一面のアスファルトには赤い血液が飛び散っていた。

「陽・・・子さ・・・」

う・・そ・・でしょ・・?

意味が・・わからない・・。

「たすけ・・て・・先生・・・」

私はヨタヨタした足でとりあえずひとけのない路地に入り込んだ。

痛い・・痛くて痛くてどうしていいのかわからない。

私はかばんの中から携帯を取り出した。

すぐに発信履歴のリダイヤルボタンを押した。

『はい、もしもし』

「沙・・・都・・」

『あすか!?』

私の尋常ではない声や息づかいをきいて沙都は電話口で驚いた声をだしていた。

「たすけて・・刺された・・たすけて・・・」

『なに!?あすかっ、あすかっ』

たすけて・・・痛い・・苦しい・・

先生・・・・。