「な・・なに沈んじゃってんのよ、あすか。とりあえず恋人?になれたんだしガンガン押してみなよーー。案外進展するかも、だよ」

う、うん・・。そう・・だよね・・・。私は先生の恋人。・・2番目のポジションですがね...。

い、いや、もはや、そんなことにかまってられない。ガンガン押していかないとっ。

「がんばるよ、沙都っ」

私は数秒前のネガティブ思考を即座に超ポジティブ思考にチェンジした。

そう、私は誰がなんと言おうと先生が好きなんだからくじけるわけにはいかない。

「がんばっといで、あすかっ」

私は沙都の声援を受けながら先生の後を追いかけてつかまえた。

「先生っ」

「何だ、まだなんか用か?」

「先生っ、今週の日曜日デートしよっ」

「イヤダ」

・・・な・・なに・・この一連の会話は・・。

・・ーー・・め、めげない、めげない。

「おねがいっ、わたしたち恋人じゃないっ」

私は目を潤ませて頼みこんだ。

顔も自分でもわかるくらい必死さが溢れている。

「な、なんで俺が....」

先生の表情は説明するまでもなくいつもどおり嫌そうな顔に引きつり笑い・・。まぁ、そんな感じ。

「おねがいしますっ。おねがいしますぅーーー。何でもするから。何でも言うこと聞くからっ」

小学生がゲームをねだるように先生にデートをねだってみた。

「・・・本当に何でもするんだな?」

「う....ん」

ちょっ、ちょっと待って、なんか怖いんだけど・・。

「わかった。それじゃあ今度の日曜日迎えにいく」

うそっ、やった。しかも迎えつきっ。

「そのかわり、今日から日曜日までの間、俺と会っても口きくな」