優ちゃんと純平くんに久しぶりに出会ってちょっとの間いろいろとおしゃべりしていた。

ホントに懐かしくって話が尽きなかった。

優ちゃんはこんな私から見てもついかまってあげたくなるような可愛らしい女の子で、純平くんはテニス部でも相当期待の星でウワサによると高校はテニス推薦がくるほどだったらしい・・。断ったみたいだけど・・。
テニスがうまいってだけでもかなりの高ポイントなのにすらっとした長身で顔もかっこいいもんだから幼なじみでいつも一緒にいる優ちゃんは相当からまれてたみたいだけど・・。


「ねーー、優ーー!ちょっとーー」

遠くの方で優ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。

きっと新しくできた友達なんだろう。

「先輩、純平っ、ちょっとゴメンねっ」

そう言って優ちゃんは一人友達が呼ぶ方へ走っていった。

「優ちゃん、もう友達できたんだね?」

「あ、ああ・・アイツはあんま人見知りとかしないから・・」

純平くんは少し翳りのある顔をした。

「純平くん・・?」

どうしたんだろ・・。

優ちゃんがいなくなっちゃったから寂しいのかな・・。

「そうだ、純平くん、テニス推薦きてたんだってね!」

私は話題を変えてみた。

少し純平くんの表情がビクっとなった。

「もったいないよねー、断っちゃったんだっねー。それでも陽明に入るなんて・・頭も良かったもんね、純平くんは。私なんかめちゃくちゃ勉強してやっとギリギリ合格だったよ・・ははっ・・」

自分で言ってて悲しいのか最後の方は乾いた笑いがでてきてしまった。

「でも、優ちゃんと一緒だから3年間楽しいだろうねっ。いいなー、二人そろって同じ高校かー」

・・・って私ばっかしゃべってるし!

純平くんうるさがってるかな・・(笑)


「あ、私もそろそろいかないとっ」

私は時計に目をやり時間を確認した。

そろそろ先生も終わる時間だろうし。

またこっそり一緒に帰ろっと。るんっ。

「じゃ、またね、純平くんっ、優ちゃんにもよろしくねっ」

私は純平くんに背を向けて先生のいる化学準備室へ向かおうとしていた。


「先輩!!」

突然純平くんに腕をつかまれた。