振り返ったら懐かしい顔が並んでいた。

「優ちゃんっ、純平くんっ」

私の目の前に現れたのは、佐伯優ちゃんと三村純平くん・・中学時代の後輩だった。

「えーー、なによーっ、二人とも陽明受けたんだー」

さっき春の風に当たって興奮を抑えたばっかりなのに、このサプライズな出来事にまたもや興奮してきてしまった。

「はい、受かってよかったですっ。またよろしくおねがいしますね、先輩っ」


実は中学時代テニス部に所属していた私は2つも後輩のこの二人に随分と助けられていた。

私は先輩なのにまったくテキパキとしていなくてほかの後輩たちからも先輩というよりはどうも友達レベルで扱われていたんだけど・・この二人はこんな私をなぜか先輩、先輩と慕ってくれていた。


ちなみに私のテニスの実力なんだけど・・・

・・・あ、いわなくてもわかるか・・。


「こっちこそ、またよろしくね、二人とも」


なんだか気分がまたよくなってきちゃった。

さっき幸せだなって思ったとこだったのにまた幸せだなって思っちゃったよっ。


高校生活最後の1年が・・とてもいい1年でありますように、とちょっぴり心の中で祈ってみた。