放課後、咲良と取り巻きが私を囲んだ。


「何よ。また用があるの?」

「あんた、杉崎君と付き合ってるんでしょ?」


「は?」


呆れて言葉も出ない。


「今日、屋上で杉崎君と手を握ったでしょ?」


「私見ちゃったんだよねー」


そこには、咲良と仲が良い下堂園麻衣がいた。


「あれは…違う。」


「何が違うのよ。杉崎君と柴崎君だなんて意外とメンクイなのね。」


「杉崎君には告白されたけど、断った。」


「なっ?私の杉崎君を振ったの?」


「麻衣は杉崎君が好きなのに最低ね。」


麻衣は涙を流し私を睨む。

「とにかく、このことは柴崎に報告ね。」

「咲良?麻衣?そんなことしても無駄だからね?」


「じゃぁ、ほっときなさいよ。報告後が楽しみね。」

「いいわよ。言いなさいよ!」


柴崎は手を握ったくらいで嫉妬したり、別れたりする奴じゃないんだから。