あれ…?あれは誰?

私の方へ男性が駆け寄る。あの匂い…あの顔…あの仕草…あの声…

柴崎だ。

なんで私に抱きつくの?

私なんか眼中にもないくせに。

私はゆっくり目をあけた。

「羅守!!大丈夫?」

目をあけたら、病院にいた。

「梨羽…。」


「ったく…無理するから倒れたんだよ。」


「え…。」


「でも、ここまで柴崎が運んだんだよ。」


「え…柴崎が?」


「うん、柴崎さ、羅守が好きだと思うよ。」


「違うよ。変な期待させないで。」


「そうだよね…ごめん。」


「あ、コンビニでイチゴミルク買ってくるね。」


「ありがとう。」


梨羽はそういって病室からでた。


「あいつが私のこと好きなわけないじゃん。」


自分で認めたくなくても事実だから。


人生は甘くないように、恋も甘くないんだよね。