坊主。それが私のことだ。
私は今、男装をしているのだ。
刀を持っていたので、動きにくい女の着物はあまり着無い。
三人ほどが階段を駆け下りて行くのが見えた。
男が私の首を掴み、部屋へと投げ入れた。
「お前は何者だ。」
「……緋月 静乃。」
そう呟くだけなのに、私は額に汗を流す。
「ふん。女子のような名前じゃのう。」
そう言いながら男は、私の首筋に刀を突きつける。
「緋月とやら。お前は何処の者だ?」
「……旅の、者で……ございます。」
喉が震える。
逃げ出してしまいたい。
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