それでも、今話さなくてはならない。 今まで大人しかった奴らは、最近になって活動が活発になってきている。 だから、このことを少しでも危機感をもち、理解してもらわなくては困る。 「だから、静乃も気をつけてね。」 俺はそう一言言うと、静乃の手を握った。 静乃の手はまだ、小さくあたたかかった。 握り返してくれたのに、ホッとした俺は家へと足を進めた。 あまりにも、残酷な試練が待ち受けているとも知らずに………。