困り果てた私は、あたふたと隊士さんたちに目をやった。
「お、おい、近藤さん。何処の誰かもわからねえ奴に頭を下げるのは……。」
「そうですよ、近藤さん。別に僕は助けてなんか言ってないですし。」
あの日の男が冷ややかにそう言った。
なんかそう言われるのもイラっとくるけど。
「馬鹿者!死んでいたかもしれなかったのだぞ!」
近藤さんが、叫ぶ。
「けどさー、総司を助けたって本当?まだそいつ、ガキだぜ?」
「おいおい、平助。おまえも立派なガキだぜ?」
「ん。おじさんは黙っててよ。」
「はは、それは言えてるな。」
「左之!おまえ……!!」
「いい加減にしねえか!」
怖そうな人の怒声に、部屋は急にし静まる。