said 沖田
最近、静乃ちゃんの様子がおかしい…。
せっかく明るくなった笑顔は消え、偽りの笑顔になった。
そんなことを、廊下を歩きながら考えていた。
すると、向こうから静乃ちゃんが歩いてきた。
『あっ』
「やあ。こんな所で何しているの?」
久しぶりに彼女の顔を見た気がした。
よく間近で見てみると、うっすらくまが見えた。
『えっと…、今日の分の仕事をしてます。』
その口調はおどおどしていた。
「あれ?でもこれ、いつも紗枝ちゃんがやってたよね?」
っと言うと、黙り込んでしまった。
しかも。なかなか、僕に目線を合わせてはくれない。
『頼まれて…。』
「ん?なに?」
ボソッと言った声は、あまり聞こえず。
聞き返してみたが……
「ぃぇ、ではこれで。」
っと、誤魔化され。僕を通りすぎようとしていた。