紗枝は急にあれから、嫌な仕事を私に押し付けるようになった。
もちろん、私にもやることはあるけど。
私が断ると、必ず何かしてくる。
『今度はなに?』
さすがに、私も毎日押し付ける紗枝にはうんざりだ。
「なーに、怖い顔してんの。」
『だから何?って、自分でやりなよ。』
負けじと私は反抗する。
あんなに、仲良かった私たちだったけど。
そんなの今じゃ、偽りの思い出だ。
「私に、口答えすんな。」
私の答えが気に食わなかったのか、いつものように殴ってくる。
どうやら、紗枝は護身術を習っていたらしい。
もちろん私は、かなわない。
だから、私は耐えるしかない。