私の彼氏は特殊捜査官

途中で目隠しされた。

・・・

場所は知られたくないみたいだ。


目隠しを外されて目にしたもの。


・・・

たくさんのパソコン・たくさんの装置や

電話。

一体この人たちは、

何をしでかそうとしているの?


一件目の事件のことを知らなかった私は、

この不気味な部屋が

居心地悪かった。



「そこに座りなよ」


一つの椅子を指差したミキヤ。

私はとりあえず言われるままに、

そこに座った。


「アンタたち、何してんの?

こんなことしても、すぐに

警察に捕まるんだから」


私の声に、

そこにいたやつらが一斉に笑い出した。


「きっと、無理だよ。

ここには、警察なんかへでもない、

切れ者揃いだからね?」


「ふん!ばかみたい・・?!」


グイッと私の顎を持ち上げたミキヤ。


「・・・何よ?」


私はミキヤを睨んだ。


「そんなことばかり言ってると、

痛い目に合うよ?

ここの奴らは、警察大っ嫌いだからね?

そこで見物しててよ。

次のゲームが始まるから」



そう言ってニヤッと笑ったミキヤ。


・・・

隙を見て、ここから逃げてやるんだから。

そして、あんたなんか、

警察に突き出してやる。
琴美の家の前。

家には誰もいなかった。

・・・

琴美は母親と出かけたのか?

・・・

オレの心配し過ぎなのか。

そんなことを考えていると、

携帯が鳴りだした。


・・・

知らない番号。


「もしもし」


「ハロー。お元気?」


「…ミキヤ」


「今頃、琴美を探してるんじゃない?」


「・・・なんで?!」


「オレは、あんたの行動が読めるんだよ」


「…琴美はどこだ?」


「オレの秘密基地」

「琴美に手なんか出してないだろうな?」


「心配性だね。琴美も、

ここの方が、居心地いいんじゃない?」


「ふざけるな」



…クスクス笑いやがって。


「これから次のゲームを伝えるよ?」



「?!」



「今夜0時。

××銀行の輸送車を襲うよ?

ここまで言ってあげたんだから、

捕まえなかったらバカだよ?」



「お前の望むように、

捕まえてやるから心配するな」



「…言ってくれるね。

それでは0時に・・・」


携帯が切れた。

・・・
すぐにかけ直しても、

携帯は繋がらなくなる。

アイツらの行動は巧妙だ・・・
オレは一度警察署に戻った。

・・・

特殊捜査官を動員させてもらうために。


・・・

警察署の戻ると、

琴美の父がいた。


「署長・・・申し訳ありません。


琴美が・・・」



琴美の父は、

ここの署長であり、

特殊捜査官の識者でもあった。



「…琴美は、無事か?」


「はい・・・

元気そうです。」


「・・・お前たちに、

次の指令を出さねばならないな。

…琴美のこと、頼んだぞ?」


「もちろんです。」
約束の時間、

輸送車の時間が変えられないとの

銀行の申し出に、

仕方なく警護に当たることになった。



・・・

もうすぐ、ミキヤが来る。


オレはその時に備えて、

準備した。…仲間たちとともに。
「あんまり警察は来てないね。

舐められたもんだ」

ミキヤは鼻で笑いながら、

私を見つめた。


「あんたちなんて、あれだけで十分よ」


・・・

あの中に、秀がいるとは思ってなかった。



「さ、お姫様は、ここで見学しててもらうよ?」


ここは、

××銀行の二階。


なぜか私たちは、

警察に見つかることなく、

今ここにいる。


・・・

椅子に縛られた私は、

身動きが取れなかった。



「ゲーム開始」


鼻歌交じりにミキヤが呟いた。
防犯カメラの前に琴美を座らせた。


オレ達グループは、

それぞれ二手に分かれて、

作戦を開始した。


・・・

オレは、

秀のいる、

輸送車に向かった。




・・・

狙いを定めたオレは、

秀のとなりにいる警官を撃った。



「片瀬!!」


秀が撃たれた奴を支えた。


・・・

いい気味だ。

警官なんて、

皆いなくなれ。

秀以外の警官が

次々撃たれていく。


「ミキヤ!どこにいる?!」


秀が叫んだ。


オレは笑いながら、

秀に顔を見せた。



「・・・お前がミキヤか?」



「そうだよ。

心配するなよ。そいつらは、

モデルガンを改造した銃で撃ったんだから、

死んだりなんかしない。

怪我する程度だよ。」



「ふざけやがって」



「これはゲームだって言っただろ?

秀あんたを痛めつける為のゲーム」


・・・そうだ。

コイツが苦しむ顔を

オレは楽しみにしてた。