ここで、今まで気にしていなかったことに気付く
どうして、遊ちゃんは私だけは何も言わず部屋に上げてくれるのか。
昇くんがいることを前から知っていて、みんなより親しいから?
それとも、なんとなくなのだろうか
そんなちょっとした疑問は、数か月過ぎた夜のコンビニ帰りに知った
私がコンビニから寮へ帰ってきたとき。
ちょうど、遊ちゃんが仕事を終えて、1つ上の先輩と話をしながら帰ってくるのを見かけた
遊ちゃんと先輩が私に気付き、駆け寄ってくる
「お疲れ~」
「お疲れ様です」
挨拶を交わし、解散かと思えば、先輩が彼氏の話をし始めた
「今日、彼氏がうちの部屋来るから、騒いだらごめんね?」
その先輩の部屋は、ちょうど私の部屋の隣だった
「羨ましいですー」
私がそう言うと、先輩はきょとんとした顔でこういった
「昇くんがいるじゃん」
え?...
遊ちゃんの方を見ると、遊ちゃんはちょっとニヤニヤしながら
「私もちょっとだけ期待したんですけど、この2人はないですね」
期待したってなんですか?遊さん。
「昇くんは、なんか違うんですよね」
笑顔でそう答えた私
でも、心の奥で何かが詰まった気がした
それがどんなものなのかわからなかった
ただ、それから昇くんに会うと少しだけ考えてしまう
もし昇くんと付き合ったらって。