もくもくと湯煙がたっていることでソレを直視することはないが、目の前の奴が現在、素っ裸なことはわかる。

躊躇いもなく晒された上半身、意外とがっちりした肩には髪から滴った水滴がポタポタと流れる。


呆然と立ちすくんでいれば「タオル取って」何事もなかったかのように紡がれた言葉に「あ、うん」私は大人しく従った。


「これでいいよね」


そう言って、適当にそこにあったタオルを渡す。

と、扉の向こうから濡れた腕が伸びてきて「サンキュ」それを引っ掴む。


タオルで隠されているから全裸ではない。が、男の半裸を見てしまったという罪悪感に今更ながらに苛まれ、「じゃあ、私はこれで」そそくさとその場を辞そうとする。

けれど。



「おい。