塾にいつもどおり入る。


テストのことなんか頭にない。
さっき たっくんと過ごした時間が頭の中を埋め尽くしていた。



教室に入ると、すでに結衣は来ていた。


「結愛 今日テストだよ 何ぼーっとしてんのっ」


結衣は、何があったのかなんて知るわけないよね。
あははは・・・・・




先生が入ってきて、テストの問題用紙 解答用紙が順に配られテストが始まった。
科目は、数学。
大のニガテな数学。


ひとつひとつ、いつもどおりに問題を解いていく。
でも 何を書いているのか頭に入ってこない。


問題とにらめっこしながら、自分の人差し指で左の頬をつっついてみる。
さっき たっくんが触ったんだ。
夢じゃない。
夢のような現実なんだ。



そんなことばっかり考えてたら、テストはすぐに終わった。
イイ点数がとれている気がしない。


わたしは、そんな空気で塾を終え 家に帰って行った。