「うちの好きな人はねー。。。 たっくん。。 なんだよねぇ。。」


一瞬自分の耳を疑った。
いま 告白しちゃった!?
そんなつもり全然なかったのに。

やばい。
たっくんの反応が。
ふられる ふられる ふられるぅぅぅぅぅぅ。


そんなことを思っていると 下を向いていたたっくんが口を開いた。

「そーなんっ」

それだけだった。

そんな会話をしていると 2年生の子たちが廊下を歩いてくる。

たっくんは、あわてたように


「こっちきて」

と言い人が来るたびに逃げて、わたしと2人っきりになろうとした。
そんな言葉がとてつもなく嬉しかった。


そして たっくんは

「かえろっか」

と言った。
ちょうど 部活終了のチャイムがなった。

何のために早く部活やめてきたんだよ。
そんなことを思いながら たっくんの後ろをついていった。


玄関から出て階段を上ったところで運の悪いことに雛乃に会ってしまった。


「結愛 おまえ なにしてんだー」

と言われ、急いで雛乃のところへ行き事情を説明する。

それを聞いた雛乃は

「まじでー きゃー すごいじゃん 頑張ってー♡」

と 言ってくれたのでとりあえず一安心。
で 後ろでその光景をたっくんが見ていることに気づく。。。。。


「なぁ 下からかえろーぜ 上だと人に見られるし・・・・」

「そうしたいけどさ・・・ 今日うち塾なんだってー お願い 上からいこー」

そうやって頼んでいると
たっくんは仕方なく了解してくれた。


2人で帰るなんて初めて。
はずかしくてはずかしくて わたしはずっと意味不明な言葉を連発していた。

「あああああ もー プライドすてるすてるすてるー」

たっくんは、歩道の上。
わたしは歩道の下。

微妙な距離が出来ていた。

すると たっくんが

「なに この距離 もっと俺の方よりなよ」

と言ってきた。