一緒に居る人は、本当に毎日変わっていった。
バイト先の友達、高校の同級生、大学の先輩、慧と私の共通の友人である幼なじみ。
男女構わず会っては深夜まで一緒に居た。けれど、男友達と体の関係を持ったことは一度もなかった。持ちたいと望んでもいなかったから。
男友達と遊ぶと、大抵は一通り遊んだ後に誘ってくるのだけれど、そういった男とは即座に縁を切った。
私のことを好きだった訳ではなく、ただ欲望を満たしたかっただけの男は直ぐに離れてくれる。単純過ぎる彼らの思考を笑うしかない。

直之が現れた日も、私はいつものように深夜まで遊びほうけていた。
「…だからあなたとは寝ない」
そして又いつものように男友達に拒絶を突き付けた。しかしその人――慧と私の共通の友人。特に、慧の親友だった――はしつこく、食い下がってくる。
「ずっと好きだったんだ!でも慧が居たから…」
ただ性欲に従って私を誘うような男より、真面目な顔をして馬鹿みたいなことを言うそいつにはひどく寒気がした。
慧が邪魔者だったみたいに言われて腹が立ったけど、私はその気持ちをどうにか抑えつける。
「…付き合ってらんない」
「待てよ!」
踵を返そうとした私は手首を逃がさないとばかりに掴まれ、逃げように逃げられない。
男の力の前でどうすることも出来ずに立ちすくんでいた私にそいつは、とんでもない事を言い出した。