表面的には何も変わらないようだったけれど、確かに皆は変わっていたのだ。
何となく減った気がするメール、代わりに増えた私を除いた内緒話、何に対してか判らないくすくす笑い。全てが私を嘲るものの様に思えて、怖くて仕方なかった。実際いくらかはそうだったのだろう。

一番の居場所だった慧を失い、大学にも居場所は無くなった。
隙間を埋めたくて人を求め、見つけ出した直之。受け入れてくれる直之。慧を未だに愛してはいるけど、彼から離れるつもりはない。

私は一つ居場所を見つけ出して、一つ居場所を失った。