直之と出会ったその次の日から、友人と遊び回るのをやめにした。

友人達は最初、慧の死に対する私の踏ん切りが付いたのだろうと安堵した。それと同時にやっと解放されたと喜んだろう。
しかし疑問に思ったのだ。「どうして急に?」

それから間もなく直之と私が並んで歩く姿を見られたのか、"穂波は別の男に乗り換えることで慧を忘れ去った"と囁かれているのを耳にした。
その時から私は、"恋人を失った可哀想な女"から"彼氏が死んでも取り敢えず男が居れば忘れられる淫乱女"に変わった。
男友達と遊んだなら体を預けない日はないとまで言われていたらしい。

みんな私の寂しさを分かってくれていたはずなのに――だから夜遅くまで私を励まし付き合っていてくれたはずなのに。
誰かのたった一言でこうも簡単に友情とは崩れるのかと、どこかからはみ出た醜さに私は絶望した。