「うっわ~相変わらずコワッ!小野恵!
陽雄も何であんな子と付き合ってんの?」
「…んー…何でだろうね?」
「あははっ!答えになってなーい」
耳に不快な雑音となり、入って来る会話。
ポロッと零れた雫を誤魔化すように、あたしは走って屋上に向かった。
沖田陽雄とは、付き合って1年目になる。
あたしから告白して、最初の方は、まぁ普通の恋人同士だったはず。 最初の方って言っても、たった1ヶ月くらいだったかな。
一緒に帰ってくれた。
呼び捨てしてくれた。
メールくれた。
電話くれた。
けど今は……。
あたしより、他の女の子と一緒に居る時間が多くなった。
いや、あたしとは居ない。いつも女の子達に囲まれて、楽しそうに笑って、簡単に触らせて、簡単に触れる。
何なの?
どうして?
意味が分からない。
あたし達って恋人?友達?それ以下?
陽雄の気持ちが見えないよ。